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気紛れなる独り言。日々の記録。そして旅の記憶。Contact:https://form1ssl.fc2.com/form/?id=19e9c9a4137ecbe3 (共通メールフォームです。何かあればご利用ください)
気紛れなる独り言。
日々の記録。そして旅の記憶。

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パン屋さん。

パン屋さん。

自宅近所に新しくできてて、気になってたので今日また行ってきたー!パンがふわっふわでおいしいんだ…
店内でも飲食できるようになってて、いいかんじでした。長く続くといいなあ…

【小噺】オルノス誕。

超絶に過ぎてますけどやっぱり書きたくなったので投下。5月18日誕生日でした。

生誕小噺って、一部分でしかないけどそれだけでも割とキャラの個性とか性格とか把握も理解もできるので、僕としては一番確実な方法のひとつなんですよね。
話の本筋としては全く伝わらないものかもしれないですけれど、一種のメモリアルとでも思っておいてください。


―――――――――――――――――

騎士になる前、それは唯一の家族らしい光景だった。
両親がいて、兄がいて、そして僕を囲うように祝福の言葉を紡ぐ。
その瞬間だけは、騎士だとか貴族だとか、そうした肩書きを忘れさせてくれる日でもあった。
けれどそれも、騎士になる前までだ。



「―――あら、でもそれは素敵なことじゃない?」

変わらない、凛とした声でそう告げる彼女に、僕は首を傾げた。

「たとえそれがその日までだとしても、家族に祝ってもらえるのはとても素敵なことだと思うわ。自分が生まれたことを家族が祝福してくれるというのは、普段がどうであれちゃんと愛されてるって証拠でもあるもの」
「証拠?」
「ええ。家系や肩書きを気にして、自身の子供に愛情を注がない貴族も中にはいるもの。その人たちは大方良しとは言えない道を歩んでると聞いてるわ」

もちろん、それが事実なのかはわからないけれど、と加えながら、彼女は淡々と語る。

「…わたしも、誕生日はお兄様が毎年祝ってくれるけれど、それ以外はいつもと変わらないのよ。両親も忙しい身だから、時間を割いている場合でもないから」
「……それで、祝い事に敏感なんだね」
「そうね。どんな肩書きであれ、生まれてきたことに罪はないもの。わたしの些細な愛情だけれど、ありがとうくらいは伝えたいと思うの」

凛として、迷いなく紡ぐ彼女の表情は、確かに王女らしいもので。
それでいて、妥協を許さない頑なな意志も持っていて。
王族らしかぬ考え方と、その行動力にはいつも手を焼いてはいるけれど、だからこそ、国民は彼女を支持しているのかもしれないと思えるほどに、頼もしい姿で。
それが、いち国民として誇らしくも思う。

「だからね、オルノス。こうして貴方が生まれて、わたしと出会ったこともきっと何か意味はあると思うの。少なくともわたしは、貴方に出会えてとても嬉しいわ」

近衛兵として配属されて、未熟ながらも毎日任務に奔走して。
その半分は、彼女の話し相手として奔走して。
こうして彼女と話すことで、僕自身も構えていた気持ちが和らいだこともあった。
それ以来、張り詰めていた気持ちにも余裕ができたことは確かだ。

「……君は変わらないね」
「…そうかしら?」
「変わらないよ、出会った頃からずっと」

自分よりも、自分に関わるすべての人を愛する。
そしてそれを糧に、立ち向かっていく。

「はー…僕にもできるかなあ…自信ないなあ…」
「いつになく弱気ね」
「弱気にもなるよ…こうして誕生日を迎えるたびに、のしかかってくる重みが違うからね…」

騎士として、人として。
まだできる限りではあるけれど、それを全うしていきたいと願う。
ただそのための重みは、日に日に増していくのだ。
だからこそ、彼女がとても羨ましく、且つ誇らしく思う。

「大丈夫よ、オルノス」

俯いて、項垂れている僕に、彼女ははっきりと告げる。

「貴方は何が大切で、何が大事なのかを知っている。それを忘れなければ、自然と導きだされるのよ」
「…そうだといいけど」
「そうなの。少なくともわたしには、貴方が誇らしく思うのだから」

迷いなく、自信たっぷりに言われてしまえば、何も言えなくなる。
それがただのお世辞だと思っても、彼女の言葉に嘘は感じない。

(…それも、ひとつの魅力だよね…)

それは、出会った頃から感じていたことだ。
幼い頃から接していた貴族たちは皆、己を着飾ることばかりに執着していた。
だから、王族もそうなのだと決め付けていたのだが、彼女だけは違う空気をまとっていた。
ゆえに、一瞬にして惹かれていた。

「…あ、肝心なことを言い忘れてたわ」

ふいに、彼女はそう言って僕の手にそれを重ねて、きゅっと握る。
そして、

「誕生日おめでとう、オルノス。生まれてきてくれて、わたしと出会ってくれてありがとう」

そう、笑顔で告げる彼女に、また瞬間的に心奪われてしまう。
これが素なのだから、溢れる気持ちのやり場に困る。

「……ありがとう。僕のほうこそ、君に出会えてよかった」

絶対に、伝えられない想いを無理矢理押し込めて、同じように握る手に力を込めた。
どんなに肩書きに振り回されようとも、決して曲げないその強さに、けれどそれでいて優しさを忘れない心に。
そしてそんな誇らしい彼女への想いを悟られないように。

けれど少しばかり照れながら、そう言って同じように微笑んだ。
【小噺】黒白ちゃん。

【小噺】黒白ちゃん。

「…仮装だって」
「あの、えっと…」
「まあ、可愛いと思うけど」
「……………」
「なんで黙るの」
「……わ、わたしは…」
「可愛いのに」
「//////」




…なんてことのないただのバカップルですね…きゅんきゅんしたい…
再び。

再び。

びすとろのセブンコラボ商品買ってきた(´ε` *)ゴローちゃんのは叔母の元へ。ツヨポンのは誰も買わなかったね…(・∀・;)

【小噺】リオン誕。

一国の王女ともなると、誕生日なんてものは国上げての盛大な祝い事になる。それは兄である王子にも当てはまることなのだが、祝福のされ具合が極端に違うことが多い。
その理由は、どちらがより国民の前でその姿を晒しているか、より多くの信頼を得ているか、そしてどちらが親しみやすいかで分かれていること。
あくまでも、一国の王族という立場だ。最高峰の地位に属する相手と親しむ機会など、一般民には到底起こりえないこと。けれどそれは、この国だからこと実現されている結果とも言える。
今朝から盛大なプレゼントの山と祝福の言葉を綴った手紙が、王家へと届いている。王子のときよりも、その量は遥かに多い。

「年々増えているんじゃないか?リオン宛のプレゼント」
「別に大したことはしていないんだけれど…でもさすがにこれは多すぎるわ…」

稀に、こうしたプレゼントの山から脅迫めいたものも届いたりするため、一度全て近衛兵による検品が行われる。もちろん、十分な安全性を確保した上での作業だ。
また、騎士団の者も同じように祝福しようと持ち込んだりもするので、実際にはその倍以上の作業となっているそうだ。
それでも、彼ら近衛兵たちは特に不満を漏らすことなくきっちり仕事をこなしている。そこも、恐らくは彼女の人望ありきの結果だろうと、スティールは思った。

「でもリオン、これからが一番大変だ。信頼を得るのはいいけれど、その分恨みも買っていることを忘れないで」

王族だからこそ、その現実を理不尽に思う輩も少なくはなく、そのために向けられる刃は計り知れないほどあるのが事実だ。いつ何時、それが事件へと発展しかねない状況になるかわからない。
それだけに、自覚と覚悟も強く持たなければならない運命でもある。

「大丈夫よ、お兄様。わたしは王女だけれど、ちゃんと理解してるし、肝に銘じてる。もし迷うことがあるなら、必ずお兄様に相談するから」

頼もしく、それでいて愛らしい笑みを浮かべながら、彼女は紡ぐ。
王女といえど、抱える多くの悩みを両親に告げられるほど簡単な関係ではないのが現状だ。些細な悩みは、一番近い兄に相談するほうが早い。一種の内通者とでも言えるだろうか。
しかしそれでも、彼女の芯はとても強い。

「リオンはきっと、立派な王女になれるだろうね」
「そうかしら。わたしはお兄様のほうが立派にやれると思うけれど」
「自信ないなあ、僕は。まだまだ学ぶこともあるし、知らないことも多いからね」
「あら、お兄様が弱気だなんて珍しい。それでもわたしはお兄様のこと、立派だと思っているのよ。いろんなことを教えてもらったし、お父様やお母様には認めてもらえない彼のことも今は黙認してくれてる。わたしにとっては、それが一番有難いの」

ごく一般的な知識がない分、一番肝心なことが育たない傾向の多い地位だ。ゆえの亀裂はこれまでにもいくつか事例はある。
だから、彼女は少しでも経験をしていたいと主張するけれど、それを公認する両親ではないことはわかっていた。それを仲介してくれたのが、ほかでもない兄だ。

「けれど、いずれは真剣に考えなければならない問題だよ。なんであれ、こればかりはリオン自身の気持ちを優先するわけにはいかないからね」
「わかってる。それでも少しは、為になることだと思うから」
「うん。まあ僕個人としては、リオンの意思を尊重してあげたいけれどね」

透き通るほどきらめく、白桃の髪を撫でながら、兄は言う。厳しいことを言っていても、兄の本心はいつだって優しい。
それが彼女を思っての言葉だと知っているからこそ、信頼できる。

「今日もこのあと、彼と約束しているんだろう?」
「ええ、一応そのつもりだけれど…」
「なら、仕事はいいから行きなさい。使用人にも両親にも言っておくから」
「え、でも…」
「今日くらいは我が儘を言っても撥は当たらないよ。それに、彼とずっと話できていないだろう?」

見透かされているとは、思わなかった。事実、ここずっと与えられた業務に就いていて、兄と話したことすらも久しく思ったほどだ。

「お兄様…」
「僕からの、囁かなプレゼントだと思ってくれればいい。誕生日おめでとう、リオン」

なによりも、ただ。
いつも心配ばかりかけている兄に、こうして祝ってもらえることが嬉しくて。
いつだって優しい兄が、誇らしくて。

「ありがとう、お兄様。大好きよ」

告げて、頷く兄を背に、彼女は足早に駆けていく。
その小さな背に、心に、様々な思いを抱えたまま、王女としての責務をこなしてきたのだろう。まだ齢18の、少女だというのに。

「…守ることしかできなくて、どうしようもない兄だけどね」

ぽつり、と呟いた言葉は、誰に問うこともなく静かに消えていく。
やがて姿の見えなくなった彼女を確認し、小さく笑みを浮かべて踵を返す。
王族としての威厳を問う両親に、なんて言い訳をしようかと考えながら。



――――――――――――――
6月14日、リオン生誕でした。ただの兄妹の会話でしかないけど、このあとリオンさんは彼と仲良く話し込むのでしたただし別に付き合っているわけではない。
ちなみに彼の誕生日は5月18日でした過ぎてましたすまんオルノス…!!
そんでもって、リオンさんには正式に婚約の話も来ていたりするのですよー本人が思いっきり蹴っ飛ばしてるだけでないわけではない。そしてそれを仲介し黙認してるのが兄なわけです全部リオンのため。
兄さんは王位継承資格がないので、それならばせめて妹には後悔なく生きて欲しいと思ってのことなのですよーほっほ。

そんなわけで、お祝い小噺第二弾でした次は誰だっけな!!!
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